先生の表情が、Mさんへの懐かしさからかとても柔らかくなる。
「そのおかまさんの顎に手を添えて、くいっと自分の方に向けさせて、
『だったら俺に惚れなよ、俺ならあんたを泣かせたりしないよ』って。
もう店中みんなMさんに惚れちゃってね」
先生も惚れたんですか?
「当たり前だよ。あれに惚れなきゃ男じゃないよ!」
先生は少しムキになってる。
写真でしか存じ上げないけど、あのピカピカな男前のMさんがそのセリフ言ったら、そりゃ確かに惚れるかも。
「帰り道、Mさんが僕に『郷〇君にこのセリフ上げるから、これくらいサラっと言えるようになりな』って言って下さって。
僕が初タイトル取ったばかりの頃。」
へ~、へ~、へ~。