なんだか、先生も僕にオコっぽい。
仕方ないので、得意の目くらまし戦法。
「先生の譲られたフィニッシュ・ムーブってどんなのですか?」
「ん~、僕の若い頃ね~」
年寄りの昔話キタ~!!!
「先輩棋士と兄弟子によくゲイバーに連れて行かれてね」
あら、ゲイバー。刺激的な単語が出ましたね。
「その先輩棋士がとんでもない美男子でね。気風も良くて。すごい人気で。」
ああ、あのMさん。師匠からお噂は聞いてます。
「で、ゲイバーのホステスさんって、辛い恋愛してる人が多くてね。
Mさんはそういう人の愚痴もちゃんと聞いてあげてねえ。
それで、ある時、恋人っていうか、ヒモだよね、そのヒモに本当にひどい扱いされて泣いてるおかまさんに、とっとと別れろって言ったんだけど、
おかまさんはやっぱりまだ惚れてるから別れられない、って。」
ああ、よくある駄目ンズ話ですね。
「そしたらMさんがねえ」