■ 糖尿病ケトアシドーシス
血糖値を下げる働きをするインスリンが不足し、十分に血糖値が下がらないことで
起こります(インスリン分泌不足)。血糖をエネルギー源として利用できないため、
からだはエネルギー不足になってしまいます。そのため、かわりに脂肪が
エネルギー源として分解されて、使われてしまう緊急事態です。
血糖値は250mg/dL以上まで上昇することがあり、ひどい場合は意識がなくなる
昏睡(こんすい)状態に陥ります。脂肪の分解によってケトン体という物質が
血液中に増え、血液が酸性に傾き(アシドーシス)、高度の脱水状態になります。
急にのどが渇き、たくさん水を飲み、尿がたくさん出て、全身がだるくなります。
お腹が痛くなり吐き気を伴うこともあり、このような症状が出た場合には
注意が必要です。
2型糖尿病の方でも清涼飲料水をたくさん飲みすぎてケトアシドーシスになる
ことがあります。これをソフトドリンクケトーシスと呼びます。
甘い飲み物を1日に何Lも飲むと、一時に大量の糖がからだの中へ入ってきてしまい、
血糖値を下げる臓器である膵臓は、対応できないことがあります。
そうすると、血糖値が急に上昇し、昏睡(こんすい)を起こすことがあります。
甘いジュースだけでなく、スポーツドリンクなども多く糖が含まれていることが
ありますので、注意が必要です。糖尿病ケトアシドーシスの患者さんの内、
20%~30%が2型糖尿病であったという報告があり、インスリン注射を
行っていない患者さんにも起こりうる急性合併症です。
https://dmic.ncgm.go.jp/general/about-dm/060/010/01.html