https://news.yahoo.co.jp/articles/782c9ff08605cc7639a052ecf4b4dcdb11a6ec8d
ネット上でいまも広がる「ワクチン接種後の死者が増加している」などの情報について、誤情報であると断言するのは、日米の専門家でつくるプロジェクト「こびナビ」の木下喬弘さんだ。
その根拠となるのが、アメリカとイギリスの「ワクチンを接種した人と接種していない人」について、コロナ以外の原因における死亡率を比較した大規模データ。
ワクチンの副作用による死亡がもし多いのならば、この「コロナ以外の原因における死亡率」に反映されると考えられるからだ。木下さんはBuzzFeed Newsの取材にこう語る。
「ワクチンを接種した人と、していない人で比べると、コロナ以外の原因による死亡はワクチン接種した人の方が圧倒的に少ないということが明らかになったんです。
つまり、ワクチンの副反応による死亡が多いとは考えられません」
まず、アメリカのデータはどのようなものか。
同国では「Vaccine Safety Datalink」(VSD)というシステムが1990年代から存在する。9つの病院群と連携し、予防接種のデータと患者の疾患や病院受診、
薬の服用などに関する情報を匿名化した上で蓄積したものだ。
CDC(アメリカ疾病予防管理センター)では、2020年12月14日から翌年7月末にかけ、「VSD」に登録された12歳以上、約1100万人分の情報を分析し、
「コロナ以外の死亡率」を比較している。
それによると、ワクチンを接種した人(ファイザー、モデルナ、ジョンソン・エンド・ジョンソン社製)としていない人では、接種した人のほうが
「コロナ以外」で死亡する確率が少ないことが明らかになった。
日本でも大規模に接種されたファイザーとモデルナの1回接種者のリスク比はそれぞれ「0.42」「0.35」。2回接種者のリスク比は「0.37」「0.34」だった(上)。
この研究結果では、「死亡リスクの増加はありません」と結論づけている。木下さんはこう語る。
「ワクチン接種者の死亡率は半分以下になっています。また、VSDの分析からはアジア人でも、ほかの人種でも、かかわりなく同様の
結果が出ていることが明らかになっており、日本人だけ特別なことが起きているとは考えにくい」
■死亡率、なぜ接種者のほうが低い?
一方、イギリスのデータは国家統計局「ONS」が公表しているワクチン接種に関するデータだ。
2021年1月から2022年1月の1年分で、同様にコロナ以外の要因における死亡率の比較ができる。対象者と年数をかけた「観察人年」が数千万という大規模なものだ。
コロナに関連のない死亡率は未接種者で1507.3(10万人年)で、1回以上接種したことがある人は878(同)と大きな差が出た。
これら、2つのデータからは、「ワクチン接種によって死亡リスクがあがるという因果関係は示されなかった」ことがはっきりと示されていることがわかる。
しかしなぜ、いずれも接種者のほうが、コロナ以外の要因においても、死亡率が低くなるのか。木下さんの見立てはこうだ。
「接種者のほうが死亡率が低くなっている背景には、接種できる状況の人がもともと、健康な人が多いということがあるのではないかと推測できます。
コロナワクチンを接種することで、ほかの病気になりにくくなるわけではありません」
(以上抜粋。全文はソースで)