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大葉の袋詰め1時間400円 夢と裏腹…技能実習生の劣悪な労働環境
1時間働いて400円しか得られず、医療機関の受診も許されない。そんな劣悪な労働環境から逃れ、居場所を失った外国人労働者が身を寄せる避難所(シェルター)が神戸市にある。新型コロナウイルス対策に伴う入国制限が緩和されて増加が見込まれる技能実習生だが、母国で抱いた夢と裏腹だった日本での生活に苦しむ人は少なくない。現場を取材した。
◇頭痛、めまい…病院での診察許されず
大きさが同じ10枚の大葉を探してゴムで束ね、10束を1袋に詰める。1袋40円の歩合制。慣れれば1時間で10袋となるが、時給に換算すると400円にしかならない。インドネシア人の女性(30)は自身の仕事をそう説明した。
特定技能の資格を持つ女性は愛知県の大葉農家と平日の午前7時~午後3時に時給960円で働く契約を結んだ。4月から働き始めたが、その契約は守られなかった。昼間の農作業が終わると、大葉が大量に入ったかごがアパートの自室に運び込まれ、袋詰めを指示された。
作業に手間取ると「ダメダメ。もっと早く」と大声で叱責された。大葉の匂いが苦手で、食欲不振や頭痛、めまいが起きた。病院での診察を希望したが、「そんな時間はない」と拒まれた。
https://news.yahoo.co.jp/articles/1cad0cece7b693a0238e02c1be772b7eee04490b