七十七銀行頭取「数百社が資金繰りに苦慮」 新型コロナで
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七十七銀行の小林英文頭取は27日の記者会見で、「新型コロナウイルスの影響を受け、数百社の取引先企業が資金繰りに困っている」と語った。2月から企業への意見聴取を始め、約1万社から回答を得た。「資金繰りが大変な企業は1〜2カ月先には数千社になりそうだ」と指摘。本部に専門チームを立ち上げ、各支店と連携して企業の経営支援に取り組む方針だ。
企業にとっては新型コロナの影響で売上高が減少する一方、人件費などが重荷になる。小林頭取は「支援ニーズで多いのが資金繰りの相談」と述べた。専門チームにはコンサルティング営業部と審査部から行員を派遣。迅速な支援に努める考えだ。
小林頭取は「(新型コロナの)収束後をにらみ、今からノウハウを持った人員を送り込んで関係を強化する」と強調。感染が長引いて企業の業績が悪化すれば、「融資返済が困難になる状況も想定される」との見方を示した。企業を早期に支援することで、収束後の売り上げを素早く回復させる狙いだ。
同行は東日本大震災の際に、最初の1年間に運転資金だけで数千社に計1000億円を貸し出した。
小林頭取は「今回も感染が長引くと、同じようなニーズが出てくるかもしれない」と分析。リスクの高い融資が増えることについては「信用保証協会や政府系金融機関などの制度融資も使いながら対応する」と話した。