�Nルーズ船、全員のウイルス検査見送り チャーター機と異なる対応
https://www.sankei.com/life/news/200204/lif2002040050-n1.html
新型コロナウイルスに感染した香港の男性(80)が乗っていたクルーズ船の乗客乗員について、厚生労働省は全員のウイルス検査を見送った。
中国湖北省から政府派遣のチャーター機で帰国した人とは異なる対応で、
無症状の感染者を見逃すリスクがあるが、専門家は「まだ検査態勢に限度があり、現実的な判断だ」としている。
厚労省によると、クルーズ船では、発熱などの症状がある人とその濃厚接触者に限定し、
ウイルス検査を実施。香港の男性の濃厚接触者も判明次第行う。それ以外の無症状の人は検査を行わないが、厚労省は「このタイミングでの検査は不要」と説明。
帰宅後に体調が悪化したら自己申告を要請するにとどめる。
一方、チャーター機3便の帰国者計565人には、症状の有無にかかわらず、全員(当初2人が拒否)のウイルス検査を実施。
結果的に無症状だった5人(1人は後日発症)を含む8人の感染者が発覚した。
厚労省は全員検査の理由を「念のため」と慎重な姿勢を強調。
感染症に詳しい同省OBは「武漢市や周辺に滞在していたことで、事実上の濃厚接触者とみなした安全策」と評価した。
クルーズ船の検査基準では、無症状の感染者が見逃されている可能性があるが、
大阪健康安全基盤研究所の奥野良信理事長(ウイルス学)は「現状の検査態勢以上の検体を調べようとすれば、他の検査を休むなど別の支障が生じる可能性がある」と指摘した。