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―マクニールさんの母国アイルランドやイギリスでも、学校や教育委員会の隠蔽
体質は見られますか?
マクニール アイルランドにも、いじめによる自殺はあるし、他のヨーロッパ諸
国にもあるでしょう。しかし、いじめを隠蔽しようとする体質は見られません。
私も幼い時、「赤毛」だという理由でいじめられた経験があります。今は見ての
通りのヘアスタイルですけれど。アイルランドやイギリスでは、いじめる側はせ
いぜい2、3人ですが、日本では集団的ないじめが多く見られますよね。このあ
たりが大きな違いで、文化的背景が要因になっているのだと思います。
―文化的背景というと?
マクニール 集団の和を重んじるのは日本の美徳でありますが、同時に弱点で
もあると思います。息子が小学校でいじめにあっていた私の友人は、先生から
「問題はあなたのお子さんにあるようです」と言われたそうです。和を乱すよ
うな行動を取っているほうに問題があるのだと。日本の学校は、問題を解決す
るよりも和を重んじることを優先するようです。
アイルランドやヨーロッパ諸国では、子供は感情を表現することと同時に、
感情をどう処理するかを学びます。感情を表すことに問題はない、そのやり過
ごし方を考えるべきだと。
「出る杭は打たれる」という言葉がありますが、日本の学校では自己主張し
て目立つよりも、その他大勢に合わせることが求められる。そして、自分の
感情を抑圧することを学ぶ。そのような感覚は大人になっても続きます。私
の息子が通う保育園で、保護者たちの間で意見がぶつかり合い、あるお母さ
んが反対意見を述べただけで村八分になったという話を聞きました。ヨーロ
ッパ出身の私からすると、どう考えてもこれはおかしい。
日本の学校は規則も厳しいし、集団への協調性が求められます。OECDが
2015年に実施したPISA(国際学習到達度調査)のアンケート結果に
よると、日本の学生の「生活満足度」はOECD参加47ヵ国のうち下から
6番目でした。これは集団の和を重んじるあまり、感情を抑圧していること
に起因しているのではないでしょうか。
―他に、日本でのいじめの原因として何が考えられますか?
マクニール ヨーロッパのほとんどの国では、教師による体罰が禁止されて
います。アイルランドも1982年に法律により禁止されました。私が子供
だった70年代には、先生から殴られたり、ものさしで手を打たれたりと
いった体罰は日常茶飯事でした。これは子供に悪い影響を与えます。暴力
を容認することを学んでしまうからです。日本の学校でも先生による体罰
は法的に禁止されていますが、依然として存在していますよね。
また、日本ではいじめた側が処罰の対象となることはほとんどない。厳罰
化するべきだとは思いませんが、保護されるべきはいじめられた側のはず
です。
http://news.livedoor.com/article/detail/13240236/