
PCやスマートフォン、サーバー機器などを製造する「Lenovo」の幹部が、中国向けに生産している製品には現地の「要望」に合わせた仕様を盛り込んでいることを示唆する内容を語りました。
この「仕様」とは、中国政府が国民の動向を監視できるようにするための「バックドア」であると見られています。
Lenovo: Companies working in China may have to install local backdoors
https://www.theinquirer.net/inquirer/news/3062910/lenovo-companies-working-in-china-may-have-to-install-local-backdoors
この発言を引き出したのは、テクノロジー系メディア「The Inquirer」のジャーナリストChris Merriman氏です。Lenovoが開催したイベントLenovo Transform 2.0の会場で同社のCTO(最高技術責任者)であるPeter Hortensius氏にインタビューする機会を得たMerriman氏は、
「中国向け専用の商品を生産する理由として考えられることは一つしかない」と質問。これはすなわち、「中国向けにバックドア入りのサーバー製品を販売していますね?」という質問でした。
この質問に対し、Hortensius氏からは「我が社では現地の状況に合わせています」という当たり障りのない答えが返ってきたとのこと。
ここでMerriman氏はさらに突っ込んで「Lenovoは中国政府が求めたらバックドアを仕込みますか?」と質問。
するとHortensius氏は、「もし中国政府がバックドアを世界的に求めたとしたらですか?それはやりません。
もし中国政府が中国国内向けにバックドアを求めたとしたら、と言うことであれば私はとりあえず『中国にある多国籍企業はみんな同じことをやるでしょう』とお答えしておきます」と返答したといいます。
Hortensius氏はまた、「当社は現地の法律を順守します。もし現地の法律がバックドアを仕込んではならないとすれば、当社ではバックドアは仕込みません。
当社では法律を順守するだけでなく、倫理や法の精神に従います」と返答。
そしてHortensius氏はさらに「同じように、もしアクセスを求める他の国があったとすれば、そして中国だけでなくもっと多くの国があるとすれば、
求められるものは提供されるでしょう」と返答し、ここで別の質問に答え始めたそうです。
Merriman氏は「Lenovoは他の国では行うべきではないことを中国ではやっているというのではなく、
中国のサーバーを通って通信されている内容は、あなたにとって『友だち』ではないことを知らせるものです」と述べています。
Lenovoは同社のサーバー製品は中国の現地でのみ流通していることを強調していますが、
世界最大級の人口を持つ国でビジネスを展開するには、幾ばくかの「コスト」がかかるようだと締めくくっています。
https://gigazine.net/news/20180920-lenovo-backdoor-in-china/