「仕事ができない人」を全員クビにした結果
http://news.livedoor.com/article/detail/13936865/
自分の働く会社を思い出していただけると実感としてわかることだが、どんな組織でも「優秀な人」
と「そうでない人」がいる。はっきり言うなら「仕事ができる人」と「足を引っ張っている人」である。
では、可能かどうかはひとまず置いておいて、「足を引っ張っている人」を全員解雇し、何割かの
「優秀な人」だけで仕事をしたら、会社の業績は上がるだろうか?
『アップル、グーグルに続く次世代最先端企業の成功の秘訣』は、世界に名をとどろかせる最先端の
企業で実践されているマネジメントやチーミングの手法を紹介していく。登場するのはピクサーや
ザッポス、パタゴニア、アリババなど、急成長とイノベーティブなサービスで知られる企業が並ぶ。
ここで冒頭の「仕事ができない人を解雇して、優秀な人だけを残せば業績は上がるか」という
問いに戻るが、この問いは、「業績を上げ、事業を拡大するために何を重視すべきか」に対する
企業側の考え方が如実に出る。究極的には、「能力」と「団結力」、どちらを重視するか、
と言えるかもしれない。
オンラインDVDレンタルから始まり、今では映像ストリーミングサービスで成長を続ける「Netflix」は、
この「仕事ができない人の大量解雇」を過去に行った会社だ。当時のネットフリックスはまだ小規模な
会社だったが、資金繰りに窮し、最も有能な社員80人を残して、その他の人材を解雇した。
その割合は全社員の3割に及んだという。
当然、その後の業務で心配されたのはリソース不足である。優秀な人材は残したとはいえ、3割が
会社を去ったとなると、既存業務で手一杯になり、事業を成長させる取り組みができなくなることを
リーダー陣は懸念していた。
しかし、結果から言えばその懸念は外れた。それどころか、起こったのはまったく逆のことだったのだ。
CEOのリード・ヘイスティングスは「誰かの不手際をフォローするための雑務が必要なくなった」と説明
しているが、つまり、人数が減った後の方が仕事の質が高まり、業務のスピードも上がったのである。
身も蓋もない言い方だが、レベルの高い人同士でないと成立しない信頼感や協力関係というのは
確かに存在する。優秀な人の少数精鋭になったネットフリックスは、一部の「できない人」に足を
引っ張られることなく、卓越した人材同士が信頼し合い、能力を余すところなく発揮できる場に
なっていたのである。