日本人はどうしてここまで擬人化好きなのか?そんな疑問がわき起こった原因となったのは、あるユーザーのTwitterでのつぶやきだった。
「Skypeでアメリカ人から『日本の空母画像を検索してるんだが、なんで美少女ばかり出てくるんだ!?』
と追求されてるなう」(原文ママ)
これは、軍艦の名前で画像検索を行うと、日本海軍の軍艦を擬人化した女性キャラ
「艦娘(かんむす)」が登場するシミュレーションゲーム『艦隊これくしょん』の画像が並んでしまう現象だ。
擬人化の歴史や主なキャラクターを解説した『擬人化たん白書』(アスペクト)によれば、
日本における「擬人化」の歴史はかなり古い。
奈良時代に書かれた歴史書『日本書紀』や『古事記』では神仏や自然が擬人化されたという
。
キリスト教など一つの神を絶対視する宗教を持つ国々では複数の神を擬人視することに対し否定的だったため、擬人化文化はさほど発展しなかった。
しかし、日本の文化的背景には「八百万の神」と言われるようにアニミズム的な思想的背景があった。
そのため、日本では神仏始めとして擬人化文化が発展を遂げ、
平安末期には「鳥獣戯画」で動物が絵として擬人化され、江戸時代の草双紙『心学早染草』では、
人の心の善悪まで善玉・悪玉として擬人化されたようだ。
そして、20世紀末から現在にかけては何でもかんでも美少女にしてしまう一大ブームが起きている。
この美少女への擬人化ブームにはインターネットの普及、個人のCG技術の向上が大きな背景としてあげられるらしい。
初期のブームはPCマニアを中心として起きたという。
擬人化ブーム前夜の1990年代末期〜2000年代にかけてインターネットでは「カードキャプターさくら」
(1998年4月〜2000年3/NHK衛星第2テレビ)等で美少女キャラブームが起きていたことも影響したようだ。
世の中は美少女キャラに飢えていたのだ。
1998年にアップルのパソコンiMacを擬人化した「iMac Girl」
が「TOYBOXARTS」の冬威氏によって公開されたのを皮切りに、プログラミング言語やハードウェアなど、
コンピュータに詳しい人ほど、擬人化という遊びを楽しみ始めた。
それが次第に一般の人にも広がり、2000年以降「コンビーフたん」「ハバネロたん」「カロリーメイトたん」など、
食べ物の美少女への擬人化が進む。
2004年になると、
にちゃんねるのスレッドで盛んに話題になり、擬人化は何でもありとなって、ついに企業やお役所を巻き込んでいった。
http://ddnavi.com/news/159914/a/