試行錯誤の“進化の過程”
では、あの印象的なロゴマークはどのように誕生したのでしょうか。今回の取材で、その試行錯誤の過程を見せてもらうことができました。
出発点はこちらです。
黒い球体が連なって、1つの円を描いています。「人のつながり」を意識したそうです。
シマダさんは「落書き程度のもの」と話し、整然とした印象もありますが、この時点ですでに、「最終形は左右対称にしない」などのイメージができていたそうです。
ちなみに、勘が働く関西の人からは「JRの大阪環状線をイメージしたのでは」という指摘もありましたが、黒い球体の数は11、駅の数は19で、環状線を意識したものではないそうです。
その後、「個性」や「躍動感」を表現しようと、球体をバラバラにして形や大きさを変えていきます。
今度の万博のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」。
「いのち」という言葉から、それを形づくる「細胞」というキーワードにたどりつきました。
目のように見える部分は、一つ一つの細胞の「核」を表しています。「いきもの」の存在感を強調しようと、すべてに配置しました。
「動くようなもの、生きている感、『いのち感』を出したかったんです」
このあと、大阪府の形を意識して・・・
再び円形に。
さまざまな色の組み合わせを試してみます。
でも、シマダさん、このころちょっと悩んでいたそうです。
「さすがにちょっと僕自身も気持ち悪いなっていうのがあって(笑)。その核をどのようにそぎ落としていくかにいちばん悩みました。じゃ、核の数をいくつにするか、そこにも意味を持たせたいと考えていました」