「学歴詐称」で大阪市職員965人を停職1カ月<2007年06月28 朝刊>
大阪市は27日、大学・短大を卒業したのに、高校卒業だけを受験資格とする試験などで採用されていた「学歴詐称」の職員965人全員を停職1カ月とする処分を発表した。
前例のない「大量停職」で業務に支障が出ないよう、停職時期を7月(404人)と8月(561人)に分けるほか、公園の清掃や放置自転車の整理など8種類のボランティアメニューを示し、参加を勧める。
市税や保育料などを滞納していた職員80人についても、減給から文書訓告までの処分を決めた。
学歴を低く偽る詐称は、大阪市に先立って兵庫県尼崎市や神戸市で発覚。「本来なら合格していた受験者の採用の機会を奪った」として、尼崎市は2人、神戸市は36人を諭旨免職にした。
大阪市は「うみを出しきることが大事」(関淳一市長)として、自主申告すれば停職1カ月にとどめる方針を決め、職員約4万5000人中、大卒採用者らを除く約3万3500人を対象に調査。
自主申告した1141人のうち、965人を詐称と認定した。処分は28日付。実際の学歴は665人が大学卒、300人が短大卒などだった。
内訳は男性750人、女性215人。年齢は23歳から59歳までで、40代が442人で最多。採用年次を5年毎にみると、1973〜77年の10人から増加を続け、バブル崩壊後の就職難だった1998〜2002年の278人がピークだった。
部局別では、環境局179人▽市教委事務局143人▽建設局138人▽交通局116人の4部門で計576人と6割近くを占めた。
環境局はごみ収集作業員やごみ焼却工場の作業員、市教委は給食調理員や学校の管理作業員らが大半。
建設局は下水処理場や道路の維持管理にあたる職員、交通局は地下鉄駅職員やバス運転手らが多かった。
停職期間は給与が支払われないほか、市の規則によって処分者は昇給のペースが遅れるため、40代の職員では、生涯賃金で200万円以上の減収になることもあるという。
市は停職期間中に「市民の誤解や不信を招く行動」がないよう注意喚起するとともに、「自己研鑽(けん・さん)の一環」としてボランティア活動に積極的に参加するよう呼びかける。
http://d.hatena.ne.jp/toumeioj3/20070628/p1