NEC米沢のノウハウ吸収、生産性から品質に舵を切ったレノボ
https://www.bcnretail.com/market/detail/20180322_55582.html 大手PCメーカーのレノボグループが、日本で培われた製造・品質管理技術の世界展開を本格化している。
同社傘下でNEC・レノボ両ブランドのPCを製造する、
NECパーソナルコンピュータ(NECPC)米沢事業場の品質ノウハウを、昨年から中国のPC工場でも採用。
従来は生産性向上のためのノウハウ共有が中心だったが、
今後は細部の品質をさらに改善することで、顧客満足度の向上を図る。
レノボグループはNECとの合弁で日本市場向けのPC事業を展開しており、
2015年からは「ThinkPad」ブランドの一部製品を、山形県のNECPC米沢事業場で製造している。
NEC製品とレノボ製品で製造ラインは分かれているものの、
製造工程やテスト工程におけるチェック項目は共通で、同じ従業員が組み立てを担当。
需要に応じて、両ブランドのPCを同じ品質で柔軟に製造できる体制を整えている。
「朝会」にも参加してもらう
今年に入ってからはノウハウの共有をさらに強化し、
日本向けの製品をつくる中国工場の品質管理担当者が、実際に米沢事業場を訪れるようになった。
この取り組みについて竹下執行役員は「日本と海外で、品質基準自体にそれほど大きな違いはない。
むしろ、品質に対する考え方を共有しようとしている」と説明する。
工場内で製品部門と製造部門が顔をつきあわせて改善点を議論する様子や、毎日の始業時に生産ラインのチームが集まって、
前日の振り返りや当日の課題を共有する「朝会」などを見てもらい、参加してもらうことで、
日本市場での顧客満足度を高めるために何を意識すべきか、ノウハウに加えてマインド面をすりあわせるようにしているという。
中国で日本向けの製品を製造しているのは6拠点で、それらの工場では既に米沢流の知見が採り入れられているという。
例えば、ライン上を流れる製造途中の製品は、USBポート周辺をゴム製のキャップで保護するようにした。
テスト時等にケーブル類を接続することもあるが、ケーブル端の金属部分がポート周辺にわずかな傷をつける可能性があるためだ。
ひとつひとつの改善は非常に細かい点だが、その積み重ねが顧客満足度の向上につながるという考え方だ。