母・和江さんです。和江さんも国体で優勝するなどアマチュアボウラーとしてトップ選手です。今年の春、和江さんに乳がんが見つかりました。
●母・阪本和江さん「まだ、あと1年半ぐらい抗がん剤はしないといけないので、それと放射線の治療もってことを言われています」
●阪本彩さん「手術とかもあって、お金が必要だったというのもあるんですけど、元々母がプロになるのがきっと夢だったと私は思っているんですよ。やっぱり夢を私が叶えてあげたいなと思ったのもありますね」
阪本選手はこの日、プロ転向後初めて試合会場に和江さんを呼びました。
●阪本彩インタビュー「母がコーチにいて、自分が優勝して、そこで抱き合って泣いて喜びたいなと思って、そういう親孝行が出来たらなと、強く思ってます」
選手、コーチという立場で、親子2人での挑戦‐大会は3日間行われ、予選の上位6人がファイナルステージに進出できます。
精神力が試されるトーナメント形式の戦いです。母が見守る中、阪本選手は快進撃を続けます。
総合ポイントでボーダーラインの6位に入りファイナルステージ進出が決まりました。
●阪本和江さん「結果が出ましたね。良かったですよ。6位に滑り込みましたよ。なんとか彩も頑張ったし、それでいけたけ良かったな~。この首の皮一枚をどう今から頑張れるかですね」
ファイナルステージ初戦を勝利した阪本選手。ところが、準決勝では思わぬトラブルに苦しめられます。
右手の親指の皮がむけてしまったのです。苦しむ阪本選手に、的確なアドバイスをくれたのが、和江さんでした。
阪本彩さん「準決勝の時はボールを代えようか迷ってたんですよ、そしたら代えなっていって、それで最後抜けたので、本当、お母さん様様ですね」
●阪本和江さん「お母さんが来てるから絶対(優勝)したいと言ってますんで、私もさせてあげたいと思ってます。
やっぱり、頼りにされてるっていうのは、凄く嬉しいじゃないですか。
頼りにされてるんだったらそれだけのこともしてあげたいし、そう思ってここまで来ましたからね」母のアドバイスを信じ、投げ続けた阪本選手は、優勝候補をやぶり、決勝へ進みました。
決勝では敗れたものの、ふたりにとってはとても意義ある大会となりました。
●阪本和江さん「本当に十分です。やっぱりあそこまで勝ち上がれることがね、奇跡に近いみたいな。私の力がちょっと足りなかったですかね、優勝出来なかったのはね」
●阪本彩さん「たぶん普段の私なら、6位までギリギリ通過出来てないし、まさか決勝戦までいける事はないですね、
自分一人だったら。ほんと、運じゃないと…。それはやっぱりコーチが良かったからかなと思います。
(元気をあげるって言ってたけども…)もらっちゃってますねこれからも、まだ1戦あるのでそこでまた頑張りたいと思います」