衝撃事件の核心2017.3.6 05:30
ある日、竹30本が伐採されるというナゾの事件の犯人は意外にも…1/1枚
大阪市の鶴見緑地公園で1月下旬、竹30本が何者かに伐採される被害があった。市が発表し、警察が「犯人捜し」をする事態にまで発展したが、地元の小学4〜6年生6人が自供≠キるという驚きの結末で幕を閉じた。
理由は単なるいたずらかと思いきや、児童たちが口にしたのは「秘密基地作り」。公園関係者も「今どきそんな子供がいたなんて」とほほえましい表情で語る。子供時代、大人が知らない自分たちだけの秘密基地にあこがれた人も少なくないはず。
ただ、近年は「危険だから」と子供たちだけで外で遊ばせない親も多く、緑も少ない都心部ではなおさら秘密基地は縁遠い話となった。子供にとって本当に大切なことは何か。大人たちも思わず考えさせられる騒動になった。(桑村朋)
白昼堂々「ギコギコ…」
「鶴見緑地内の竹の伐採被害について」
大阪市は1月26日、見慣れない報道資料を発表した。同市鶴見区の鶴見緑地公園内の「花の谷」にある竹林で25日、計約230本ある竹のうち30本が伐採されるという何とも奇妙な被害があったというのだ。
市によると、警備員が25日午後6時50分ごろに周辺を巡回し、被害を確認した。午後1時40分ごろの巡回では異常はなく、この約5時間ほどの間の「犯行」と考えられた。
そして辺りには、のこぎり5本、のこぎり鎌1本、はさみ1本、ハンマー1本、小型シャベル1本、粘着テープ1個が無造作に散乱していた。
つまり“犯人”は大勢の人が行き交う公園の中で白昼堂々、「ギコギコギコ」と音を立てながら竹を30本も切り倒したとみられる。
いくつかは下部に切れ目があり、座って切られたと推測されたが、それ以外の多くは成人の腰付近の高さで切りそろえられていた。
同様の犯罪を考えると、犯人は盗んだものを何かに使ったり、どこかに売り飛ばしたりするのが通常だ。だが、なぜか今回は竹を切りっぱなしで、現場に放置していた。
「怪事件」に鶴見緑地公園事務所の担当者は「切られたことは非常に残念だったが、本当に目的がよく分からなかった」と振り返った。
市は翌26日、公園の指定管理者を通じて大阪府警鶴見署に通報し、被害届を提出しようと検討し始めた。ところが通報当日、署員が竹林付近を夕方近くまで警戒していると、怪しい集団が現れた。それは近くの小学校に通う6年の男児5人と4年の女児1人の計6人組だった。
小遣いで百均ノコギリ
授業を終えて下校した6人は、現場に残していたのこぎりなど道具類を探し、さらに竹を切り進めようとしていたようだ。
意外すぎる犯人に驚いた署員や市職員が「こんなことしたらあかんやろ。なんで竹なんか切ったんや」と問いただすと、子供たちはこう言って謝った。
「秘密基地を作っていた。ごめんなさい」
思いも寄らぬ言葉に、注意した大人の方が思わず笑顔になってしまった。関係者によると、子供たちは親から「家の中でばっかり遊ばずに、元気よく外で遊んでおいで」と言われ、近くの鶴見緑地公園で遊ぶことを決めたそうだ。
そこで思いついたのが秘密基地を作ることだった。のこぎりなどの道具類は百円均一ショップに自分たちで出向き、なけなしのお小遣いで購入したものだったという。
翌27日には、6人が通っている小学校の校長らが公園事務所を訪れて謝罪。さらに同月31日には、保護者がそれぞれ子供と一緒に事務所に来て頭を下げた。「もう二度としません」などと各自が書いた反省文も持参していた。
===== 後略 =====
全文は下記URLで
http://www.sankei.com/smp/west/news/170306/wst1703060006-s1.html