>>42の11行目 ・・ビッグスロープ、巨大な傾斜面。その形而上の問題に頷くメタフィジークは、雲の上の遥か上空から、遥か下界の大地に届く。
その広く至る大地を越え延びる視界は、地平の遥か先へ遠大に続く。その巨大な斜面、メタフィジークが出現した。
>>43の12行目 貴種にして異種、その意味の外套を頭部に羽織った。誂えの特殊な頭巾の奥へと、その相貌を光から遠ざけた。彼らアイデンセドアは光を導く根深い闇に形を与え造り出す。
どのようなその光の源ですら操った。
27行目 店の奥、その男は壁際のテーブルにいた。やわら、ふと背凭れに預けた意識が振り向いた。腰に掛けたファイバルロットが振動した。
アイデンセドアのメルカン・ジートは帽子の鍔を摘まみ、利腕をドアに差し向けた。取っ手の手前で手元を止めた。澄まし俯く表は店の奥へと意識を送った。
メルカン・ジートは意識の波を店の奥へ向けた。
フラックス・ビズィドは彼らセドアや剣士たちの流転が辿る痕跡である。その安寧の核心もなく、その足跡は轍を残す。その先で彼らは骸を置いた。
森の樹々のその幹に凭れ、体を預けた。その横たわる外套は、彼ら貴種の抜け殻である。遠感の探信がそのボイドの空域を捕獲した。
彼らの視聴覚が外界から受けた感覚は、幾つかの神経中継器の距離を縮め、脳幹と筋肉を一つに繋げた。距離を繋ぐ種本来の脊髄経路を単略した。
彼らダガロギアンの剣士の、その異能細胞エネルギーの放出は、ナチュラルドーピングが創出する。
間に合わなければ、裏切ることになる。見殺しならば、裏切りとなる。脳裏を過るその真意が滞留する。「アイデン・セドアよ・・」
未だ定かではなく、彼らアイデンセドアはその盟約を、如何に期する所とするのであろうか。
彼ら剣士ダガロギアンの、その自由を謳歌する身体は、骨格を形成する細胞に代謝のエネルギーが海抜を越えて行き届く。
まして、その身体の持久耐性機能は常人の域を越える。然る事ながら、その駆ける身体の身支度は常人の軒先を踏みつける。
土塀を宙に跨ぎ、屋根を大地と駆け廻る。