山梨県富士吉田市の堀内茂市長は10日の記者会見で、今年度の「ふるさと納税」による寄付金額が、昨年12月末に16億円を超えたと発表した。早くも過去最高の平成28年度(通年で約7億6643万円)を更新し、2倍強の水準に達した。返礼品目を増やし、全国の自治体の返礼品を紹介するポータルサイトへの参加を増強した。堀内市長は「リピーターが多い。職員の素早く、ていねいな対応が効果を上げている」と取り組みに自信を示した。
市によると、12月末までの寄付は4万3222件、約16億861万円。このうち、年末の12月30日、31日に約2億4千万円の寄付が集中した。29年分の申告に間に合わせる全国的な傾向だが、約10人の職員が年末年始も出勤し、対応に追われた。
同市の返礼品の人気上位は、フルーツの詰め合わせ、赤身馬刺し、キムチなどという。
20年度にスタートした同市のふるさと納税。寄付額は26年度まで百万円台が続いたが、27年度に返礼品を選択できるように改め、ポータルサイトに初参加。ふるさと納税推進室によると、参加するサイト数(28年度2社、29年度4社)と比例し、寄付額も増え続けた。
今年度は返礼品目を前年度の223品目から400品目超に倍増。市出身のプロレスラー・武藤敬司さんが東京都内のイベントで寄付を呼びかけた。
5万円以上の寄付者を対象に、バスツアーで地元に招待するキャンペーンも実施。4月の「富士吉田桜まつり」などに合わせ、春、夏、秋に行い、「毎回ペア40組の定員に対し5〜6倍の応募があった」(ふるさと納税推進室)という。
さらに、市長のメッセージを添えた礼状やパンフレットの送付などのリピーター対策や、富士山麓という“地の利”を生かした高速バスのラッピング広告などで寄付を呼びかけた。
市によると、昨年4〜9月の寄付額は約3億4千万円。県内ではフルーツの返礼品が人気の山梨、甲州、南アルプス、笛吹の各市を抑え、トップとなった。
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