
冬の北海道は美しい雪景色、雄大な自然などが訪日外国人観光客の間で人気となっているが、今年1~2月、北海道をそれぞれ別々に訪れた中国人女性2人が旅先でアクシデントに見舞われて困っていたところ、日本人女性に助けてもらうという出来事があった。
そのエピソードが中国のSNSに投稿されると、読者から「感動した」「日本人はなんて優しいのだろう」などの声が多数上がった。
日本女性から車掌への見事な連携
エピソードの1つ目は、網走から「特急オホーツク」に乗車して札幌に向かっていた女性の話。この女性は乗車中にペットボトルの水がなくなってしまい、途中駅で水を買おうと下車した。しばらく停車するだろうと勘違いしたのだが、1分も立たずに列車は動き出してしまった。
女性はスーツケースやパスポートなどすべての荷物を列車内に置いたままだったので、頭が真っ白になったが、ホームに1人、たまたま友人を見送りにきていた日本人女性が立っているのが目に入った。
中国人女性は身振り手振りと簡単な日本語で必死に説明したところ、その日本人女性は状況を理解し、列車に乗った友人にすぐに電話してくれた。そこから車内の車掌に連絡。さらに、その日本人女性は旭川行きの別の電車に乗るところまで送ってくれた上、そこでも駅の車掌に説明。その車掌から別の特急に乗り継ぐように指示され、札幌行きの最終列車に飛び乗ることができたという。
最終列車の発車時刻は午後10時。しかし、中国人女性が乗車したのは10時5分頃で、列車はこの女性が乗るまで待っていてくれたことを、この中国人女性はあとから知った。
ホテルまで一緒に歩いてくれた
エピソードの2つ目は、別の中国人女性が北海道を訪れたときの話。途中でスマホのデータ通信容量を使い切ってしまい、電車を降りたあと、地図アプリが開けなくなってしまって困っていた。真冬の北海道で途方に暮れたが、なんとか自分で宿泊先のホテルを探そうと歩き出した。しかし、見つからず、困っていたところ、たまたまそこを若い日本人女性が通りかかった。
中国人女性はその日本人女性に声をかけて英語で話したが、うまく通じず、翻訳アプリで会話して事情を説明したところ、日本人女性は「一緒に行きましょうか?」と優しく声を掛けてくれた。そして、1キロ以上の道のりを一緒に歩いてくれたうえ、荷物まで持ってくれた。
無事にホテルに到着後、中国人女性はお土産に購入していたぬいぐるみをその日本人女性にプレゼントし、連絡先を交換した。あとで改めてお礼のメッセージを送ろうとしたところ、その日本人女性から先にぬいぐるみに対するお礼のメッセージが届いていて、中国人女性は再度、感動した。
いずれの女性も1人旅で、困っていたときに日本人に助けられて感動し、その状況を中国のSNSである小紅書に投稿した。すると、「とてもいい話。感動した」「自分も日本を旅行中、目的地まで日本人に送ってもらったことがある」「心が温まった」などのコメントが多数書き込まれた。
観光庁の統計によると、2024年の訪日外国人客数は約3687万人。国・地域別では1位が韓国、2位が中国となっている。中国からの観光客は団体旅行ではなく個人旅行が多数を占めており、北海道はとくに人気の旅行先となっている。
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/5018e98006a6e43836515ed064cba33e3250ecab