と前置きをした上で、図を示しながら、教団と関連団体の関係性についてこう説明した。
「今の状況をご説明するために、ファイヤーウォール、防火壁についてご説明したいと思います。何かトラブルがあったときにその責任が団体に及ばないようにするために壁を作っておくということで、真ん中に家庭連合、旧統一教会があって、その脇に二つの壁が作られています。左側の壁は、いわゆるトラブル、『霊感商法』『違法伝道』『高額献金』、そして一部の刑事事件などが起こったときに、その責任が宗教法人に降りかからないように作っている壁ということになります。
で、右側のファイヤーウォールが何であるかというと、UPFにしても勝共連合にしてもその他団体にしても、教会そのものではなく独立してますよ、と。そこに閣僚や議員や首長は関わったのであって、統一教会そのものとは違うので、教会が起こした問題には責任がありませんよということで、この壁で議員たちや政治家が守られるように何とか機能させていたんです」
しかしそのファイヤーウォールが、安倍晋三元首相の銃撃事件を契機に崩壊したとして、魚谷氏はこう続けた。
「火の粉がすべてに覆いかぶさるように完全突破された状況になっております。ファイヤーウォールのことを強調して、関連団体にだけ関わっていたんですよということでは言い訳ができなくて追及される状態になっております」
魚谷事務総長のこれらの発言は、「ファイヤーウォールなる壁で隔てられているだけで、教団と関連団体は一体である」と受け取れる。長年教団を追及してきたジャーナリストの鈴木エイト氏が言う。
「“関連団体”の幹部であるはずの魚谷氏が教団の会議に出席し、しかも、ファイヤーウォールなどという言葉を用いて危機的状況を情報共有している。このこと自体が、教団とその他の関連団体が一体であることを示す何よりの証拠です」
魚谷事務総長が会議に出席した理由について、旧統一教会は本誌の取材に次のように回答した。
「『特別ネット会議』はメディア報道による被害状況を共有することを目的としていますので、その被害は当然、友好団体にも及ぶ恐れがありますから、(実際に及んでいる)友好団体を代表して、魚谷俊輔・UPF事務総長にも参加していただいています」
「FRIDAY」9月29日発売号では、この他にも飛び出した信者向け「ネット会議」での衝撃発言や、勅使河原秀行氏の会見を見た現役信者の不満などを詳細に報じている。