避難のウクライナ女性 M-1挑戦、相方は支援者の日本人男性 届け「ウクライナ人は楽しい」
8/22(月) 5:30
ロシアによるウクライナ侵攻で、祖国を追われた女性と国内で支援活動を行ってきた日本人男性という異色のコンビが、漫才日本一決定戦「M―1グランプリ(M―1)」に出場する。24日で侵攻開始から半年がたとうとする中、「戦争の悲劇を風化させたくない」という平和への思いが根底にある。笑いを通じて、一人でも多くの人にウクライナに関心を持ってもらい、支援の輪を広げることを目指している。
ウクライナからの避難民ユリヤ・ボンダレンコさん(30)は今月中旬、大阪市西区の共有スペースで相方の吉村大作さん(42)と一緒に知人らにネタ見せをしていた。
「バトルでも 笑いのバトル 平和です」。日本語で戦火に包まれる祖国を念頭に置いた川柳を披露すると、日本文化の理解度の高さを「めっちゃ凄いな!」と突っ込んだ吉村さんを「コイツよりかは凄いです」とイジって笑いを取った。
ネタを公開するのはこれで3回目。「全然緊張しなかった」と頼もしいボケ担当のユリヤさんに対し、吉村さんは「緊張で膝が笑った」と苦笑い。英語でウクライナ人を表す「ウクライニアン」にあやかった「ウクライーニヤン」のコンビ名で近くエントリーを済ませ、10月3日までに行われるM―1の1回戦に出場する方向だ。
ユリヤさんはウクライナ北部チェルニヒウ出身。画家として生活していたが、ロシア軍の空爆で街が破壊されていく中、命の危険を感じて国を出ることを決意。新婚の夫は徴兵のため国境で別れ、単身で6月に来日した。避難先に日本を選んだのは「いつか暮らしたいと思っていたから」。東日本大震災で被災してもたくましく生きる日本人の様子を2015年にラジオで聞き、その姿を脳裏に浮かべていたという。
「ウクライナ人へのイメージは悲しいという面で見られるが、楽しい人たちだと思ってもらえると明るくなれる」とユリヤさん。大阪出身で支援活動に尽力していた吉村さんの誘いでお笑い挑戦を決めた。戦闘の長期化で世間の関心が薄れていると感じていた吉村さんは「ウクライナにもっと関心を持ってアクションにつなげてほしい」と思いを語る。本来はもう1人、ウクライナから避難してきたエリザベータ・コロトコバさん(23)を加えたトリオだが、今回は居住地が近いユリヤさんと吉村さんのコンビでM―1に挑むことになった。
※略※
https://news.yahoo.co.jp/articles/b7ecf463a671a06d84b1b756b954fda4aca69115