菅政権の支持率が軒並み、過去最低を更新。NHKが10日発表した支持率も過去最低の29%、逆に不支持率は52%と過去最高となった。
NHK世論調査で支持率30%割れは、2012年の自民党の政権奪還以来、初めて。
五輪開催強行で祝祭ムードのまま、秋の総選挙になだれ込む。そんな政権浮揚の悪だくみも感染大爆発で消滅。
菅首相周辺が9月の自民党総裁選の延期を模索する中、10日発売の「文藝春秋」9月号で「総裁選に出馬します!」と手を挙げたのが高市早苗前総務相だ。
高市氏は「日本経済強靱化計画」と命名し、大胆な「危機管理投資」と「成長投資」の必要性を主張。
「中国共産党が日本社会への浸透と工作を仕掛けてくる可能性がある」とし、その「リスクの最小化」に向けた法整備と体制強化を目指すなど右派色の強い政権構想を披露している。
現在、高市氏は無派閥。立候補に必要な「推薦人20人」を確保できるかが、今後の焦点だ。
「安倍前総理に近く、後ろ盾になってもらって出身派閥の細田派から推薦人を借りるしかない。
安倍さんの了承を得ない限り、立候補は困難です」(自民党関係者)
■「スガのガス抜き」
安倍前総理は「日本初の女性首相」候補として、稲田朋美元防衛相を寵愛してきた。
だが、最近は選択的夫婦別姓やLGBT支援を巡り、脱・保守色を強める稲田氏に距離を置くようになっている。
「5月に月刊誌で安倍さんが『ポスト菅』候補に挙げた4人にも、稲田さんの名前はなかった。
結果、稲田さんに期待した党内右派の間で『高市さんこそ、われわれの女性代表』とおだてる風潮が高まったのは事実。
本人も勘違いしているのかもしれませんが、安倍さんの推す4人には高市さんも入っていない。
安倍さんが推薦人を回すとすれば、菅総理の無投票再選批判を封じ込める理由以外には考えにくい」(別の自民党関係者)
高市氏本人も“かませ犬”の自覚があるのか、文藝春秋では、菅首相が発信力を失っているのは「全党員の審判を受けて選出された経験がない」からだと指摘。
まずは党員が参加する形での総裁選実施を訴えた。はたして高市氏程度で「スガのガス抜き」が務まるのか……。
https://news.yahoo.co.jp/articles/382c6b095ed154ea6a15ffad20e83461557b1611