
国が生活保護費を引き下げたのは違法だとして、事務手続きをした自治体の決定を取り消した大阪地方裁判所の判決を受け、大阪府内の自治体が控訴する方向で最終的な調整に入ったことが分かりました。
生活保護の支給額について国は、平成25年から27年にかけて物価の下落などを反映させる形で最大で10%引き下げ、大阪府内の受給者42人は「最低限度の生活を保障した憲法に違反する」などとして、支給事務を行う大阪市などの12の市を相手に引き下げの取り消しを求めています。
大阪地方裁判所は先月22日、支給額を引き下げた厚生労働省の判断について、「裁量権の逸脱や乱用があり、生活保護法に違反している」などとして、引き下げを行った自治体の決定を取り消す判決を言い渡しました。
これを受けて自治体が国と対応を協議した結果、判決を不服として控訴する方向で最終的な調整に入ったことが関係者への取材で分かりました。
生活保護費の引き下げをめぐっては全国29か所で集団訴訟が起こされていますが、違法と判断して引き下げを取り消したのは初めてで、自治体や国の対応が注目されていました。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210304/k10012896451000.html