
「日本に来て7年が経ちますが、今ほどベトナム人であることを恥ずかしく思ったことはありません」
そう話すのは、東京都内のメーカーで営業職として働くベトナム人のハインさん(28歳)だ。
「できるだけ、ベトナム人であることを隠したい。初めて会った人から『中国人?』『タイ人?』と尋ねられると、(否定せずに)『ハイ』と答えることにしているんです」
今、ハインさんと同じ思いを抱える在日ベトナム人は少なくないはずだ。その原因となったのが、最近メディアを賑わせた「子豚の盗難事件」である。
今年夏ごろから北関東で頻発していた子豚など家畜や果物の盗難に絡み、10月末にベトナム人たちの逮捕が相次いだ。まず10月26日、群馬県内で13人のグループが入管難民法違反容疑で捕まった。
続いて2日後の28日には、やはり群馬県で4人が、無許可で豚を解体した、と畜場法違反容疑で逮捕された。容疑は別件だが、いずれも盗難への関与を疑われてのことだ。
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