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https://digital.asahi.com/articles/ASN6Z6X1VN6XUOOB006.html
長野)2度目の再選挙は回避、なり手不足に悩む村
長野県売木村議選(定数7)は30日告示された。立候補したのは現職4人、新顔2人の計6人にとどまり、定数割れでの無投票当選が決まった。
告示前から「再選挙」の影がちらついた。議員7人のうち1人が任期中に亡くなり、2人が昨年末から今春にかけて、次は立候補しないと明かした。「また全国ニュースになってしまう」。小さな村内でそうささやかれていた。
公職選挙法は、候補者の不足が定数の6分の1を超えると再選挙と定める。定数7の売木村では欠員2以上で再選挙になるため、「3欠」は危機的な状況。「また全国ニュースに」という心配は、再選挙が初めてではないからだ。
定数8だった2004年は立候補が6人にとどまり、被選挙数2の再選挙で2人が無投票当選した。定数割れによる再選挙を繰り返せば「議会は何をしているのか」との批判も避けられない。関係者は「なり手」発掘に奔走した。
村議の報酬は月12万1千円。県は「市町村ごとの金額を把握していない」とするが、村議らは「県内最低。全国でも最低かも」。報酬だけで生活するのは難しいと口をそろえる。
コロナ禍で議員報酬を減額する議会も少なくないが、追随すれば「新しい人の立候補をさらにためらわせてしまうのでは」。議長の松村尚重さん(66)らはそう考え、選挙後に新たなメンバーで話し合うことにしたと明かす。
愛知県と境を接する売木村の人口は、長野県内で2番目に少ない約520人。豊かな自然にひかれ、村外出身者が3分の1以上を占める。地元にすんなり溶け込む人、距離を置く人、移住者同士の人間関係……。選挙に出るのも一筋縄とはいかない。
今回、初当選した代田昌子(あきこ)さん(53)は、両親に連れられ移住して40年以上。「村も議会もやっていることが伝わってこない」。それなのにか、それゆえか、臆測を基にした誹謗(ひぼう)中傷も聞こえてくるという。
「このままではみんなバラバラになってしまう」と考える代田さん。まずは情報をきちんと発信することをめざす。様々な活動を通じてできた仲間には、こう伝えている。「私は誰の味方にもならないからね」
立候補は若い人にも勧めたが、今回は間に合わなかった。だから、議員と兼業できる仕事を条例で示せないかと考える。両立するには休日・夜間議会も一案だが、「夜は子育て世代に負担が大きいし、観光の村だから日曜は難しいかな」。
村議選は2012年には選挙戦になったものの、08年、16年、今回と無投票。県境の村の悩みは続く。