進駐軍女性兵士の為の「慰安夫」 日給3ドル
ところで、RAAは大っぴらに募集されたのでよく知られていますが、
女性兵士用に「男慰安夫」として採用された若い日本人男性がいたことは、あまり知られていません。
この慰安夫に採用された本人が語っています。昭和二一年、この人の場合は名古屋に進駐した女兵用で、厳重な体格検査に合格。
とにかく、心臓、胃袋、眼、皮膚、筋肉、血液、尿などが検査され、性病、痔の有無まで調べられたといいます。
松坂屋の近くに焼け残った木造アパートがあり、体格検査に合格した数人の若者に一人一室与えられます。
最初の客は、なんと試験官の伍長で、彼女は最初からその人のことを気に大って採用したのです。
「乳房は二個の飯ごうのようで、故郷の牛を思わせる腰だった」といいます。
勤めはさすがに一日おきで、日給三ドル。その他、肉、バター、チーズなど、体力回復のためいくらでもくれました。
一般国民が芋も満足に食べられないときですから、それはありかたかったでしょうが、とにかく体力的にきつかったそうです。
結局、この人は丸半年間、その女伍長にやむない軍務のあるとき以外は買い占められ、その伍長は本国帰還の日、とめどなく涙を流したそうです。
百瀬孝監修 昭和研究グループ著 P.182
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