三菱重工、創業の地・長崎の主力造船所を売却へ
日本の経済成長をけん引してきた「重厚長大」を代表する大企業の屋台骨がぐらついている。
三菱重工業が、国内最大級の長崎造船所の香焼工場を、造船大手の大島造船所に売却する方向で検討しているそうだ。
きょうの日経など、各紙が「三菱重、主力造船所を売却、業界再編が加速」などと報じている。
それによると、来週にも基本合意する見通しで、売却額は数10億円程度を見込んでいるという。
また、香焼工場の従業員約600人については、転籍や三菱重工内の配置転換などで対応するとみられる。
香焼工場は長崎造船所を構成する生産拠点の一角。
1972年に建設された造船所で、液化天然ガス(LNG)を運搬する大型船などの建造を手がけてきたが、三菱重工の造船部門は不振が続いている。
三菱重工は2016年には、巨額損失を出したことから、大型客船の受注からの撤退を表明。
造船事業で中国、韓国企業が台頭する中、製造能力を縮小してコストを削減し、利益を稼げる体制にする狙いだという。
三菱重工といえば、三菱財閥の中での御三家。
三菱自動車は1970年に重工の自動車部門から分離独立した会社であり、2016年に日産自動車の傘下に入るまでは、筆頭株主として経営再建などにも取り組んできた。
また、長崎は三菱重工の創業の地でもあるが、厳しい環境の中では断腸の思いで売却を検討せざるを得なかったようだ。
https://response.jp/article/2019/12/13/329760.html