「たばこはカッコいい」が通用した昭和の記憶
■たばこは「オシャレな存在」だった
電車内で吸えたのなら当然、駅でも吸えた。駅のホームは喫煙所ができて制限されるまでは駅のホーム全体が灰皿代わりだった。
タバコのポイ捨てに対して喫煙者は罪悪感を持っておらず、電車が近づいてくると吸い殻を線路に投げ捨てるなんて光景も当たり前のように目にした。ラッシュアワーだろうが、
電車を降りたらタバコに火をつけ、プカプカふかしながら階段を降りて改札を通った。さらに、そのまま地下鉄の駅まで下りていったものだ。
飛行機も国際線、国内線ともに喫煙席が設けられていた。機内は空気が乾燥していることもあり、喫煙席でひと眠りでもすると喉をやられることが多かったように記憶している。
世界の多くの航空会社が全面禁煙を始めるのは1998(平成10)年ごろから。案外最近のことだ。
昭和時代の映画やドラマなどでは、仕事中もプカプカと喫煙するシーンが出てくる。それがまた格好よく(特に刑事ドラマ)、しかもうまそうに描かれていて、
若者たちはその姿に憧れを持った。タバコを吸うのはおしゃれであり、タバコぐらい吸えないのは格好悪いことだった。
小学校でも教室でタバコを吸っている教師がいた。それどころか、くわえタバコで授業をする教師もいたという。
学校にもよるだろうが、職員室はタバコで煙っていた。今思えば教育に非常によろしくない環境だったと言える。
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190302-00265060-toyo-soci&p=3