https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180410-00000020-kobenext-l28
裁判で刑事責任を問われた被告に対し、認知症を理由に無罪としたり、量刑を軽くしたりする判決が近年目立つ。
神戸地裁は2月、スーパーで豚肉を盗んだとして窃盗罪に問われた神戸市灘区の男性(87)に無罪を言い渡した。男性と妻(79)は神戸新聞社の取材に、逮捕、勾留された心境や、無罪になっても拭えない不安や悔しさを語った。
−窃盗容疑で逮捕後、ずっと「支払うつもりだった」と伝えていた?
男性「そうよ。やけどね、話が全然、警察とかみ合わなかった」
−昨年2月に逮捕され、保釈されたのは約2カ月後だった。
男性「長かったな。野菜を手に持っていたから、豚肉1パックをポケットに入れたことを忘れていた。それで裁判になった。それがね、理解に苦しむ。
なんでこんなに長い間拘束(勾留)されないといけなかったのか。100倍や千倍の代金を支払えと言われるならまだ分かるが、あの拘束には参った」
−2016年2月にアルツハイマー型認知症との診断を受けていた。
妻「毎月、検診に行っていた。普段の生活では毎日ウオーキングに行ってちゃんと帰ってきていた。ただ『今日は何日や?』『何曜日や?』と聞くようにはなった。さっき言ったばかりなのにな、と思っていたが、普段の生活に支障はなかった」
−自身で違和感はあった?
男性「ない」
−逮捕された時は所持金もあった。
男性「盗むつもりはなくて、手に持ちきれなくてポケットに商品を入れたのを忘れていた」