
72歳、リヤカーで日本一周中 大府の鈴木さん
江戸後期の測量家・伊能忠敬に憧れ、リヤカーを引きながら歩いて日本一周を目指している
大府市の鈴木康吉さん(74)が九日、故郷の三重県伊勢市に立ち寄った。
七十二歳で始めた旅は三年目。ゴール間近の鈴木さんは「何歳になっても、夢はかなえられると
同世代に伝えたい」と話している。
鈴木さんは中学時代に本で読んだ忠敬に感銘を受け「いつか自分も冒険がしたい」と夢を抱いた。
建築業をしながらも夢を諦めず、仕事を引退した二〇一五年三月に大府市を出発した。
旅は忠敬の足跡をなぞるように、日本列島を左回りに、海岸線を一日二十五キロほど歩いた。
一年目は「厳しい坂と野生の熊が怖くて、一番きつかった」と振り返る北海道の知床峠など難所を乗り越え、
日本海側を南下して一五年十月に敦賀市(福井県)に到達した。
リヤカーは寝具や食料など最低限の物品しか積み込んでいないが、重さは五十キロ以上。
冬場は雪などの影響で危険と判断し、一年目の旅は敦賀市で終了。
いったん大府市に戻り、翌一六年の三月に敦賀から旅を再開した。
その三週間後、山口県を歩いている時に、熊本地震の一報を聞いた。
「今までは全国の人々から声援をもらって頑張ってこれた。自分も元気を与えたい」と、震災から二カ月がたった
六月に熊本県に入ると、ボランティアにも励んだ。
二年目は九州を一周し、本州の瀬戸内海沿岸を歩き終えた大阪市で終了。
三年目の今年は、三月に大阪市から旅を再開すると、四国を一周した後、紀伊半島を通って故郷を目指した。
九日は三重県鳥羽市を出発し、正午ごろ、伊勢市二見町の資料館「賓日館」に到着した。
出迎えた大勢の同級生と抱き合い、旅の充実感を分かち合った。
伊勢市中島小、宮川中(現・伊勢宮川中)で机を並べ、茨城県日立市から駆け付けた竹内学さん(74)は「昔から面白くて人気者。自分にはできない旅をしているので、元気をもらえる」と話す。
十日に故郷を出発し、伊勢湾を北上。知多半島を歩き、二十五日ごろに大府市に着いて、旅を終える予定だ。鈴木さんは「小さな冒険心かもしれないけど、気持ちがあれば何でもできる。あと少し頑張りたい」と意気込んでいる。
(関俊彦)
http://www.chunichi.co.jp/article/aichi/20170611/CK2017061102000094.html
故郷の三重県伊勢市に到着し、レイを掛け同級生から歓迎を受ける鈴木さん
=三重県伊勢市二見町茶屋で
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