下関市で約50年前に採集された化石が、国内で最初に発見された恐竜の卵化石だったことが判明したのは今年6月。下関市立考古博物館で16日、この卵化石についての講演会とミニシンポジウムが開かれ、約130人が耳を傾けた。
発見者の清水好晴さん(68)=神奈川県横須賀市=も駆け付け、「私の少年時代の思いが正しかったことが判明し、安堵(あんど)した」と思いを述べた。
化石の鑑定にあたった福井県立恐竜博物館の今井拓哉研究職員(30)が発見の意義について講演。今回の卵化石は、殻の厚さが恐竜の卵としても比較的厚く、殻の表面に凹凸が無い特徴があり、これまで国内で見つかった卵化石と似ていない一方、
CTスキャンの結果、気孔の構造などから韓国で発見された卵化石と類似点が多いことが新たに分かったと報告。また、これまで恐竜化石が見つからないとされた地域から発見されたことで「国内初の恐竜営巣地や山口県初の恐竜骨格化石の発見を期待させる」と評価した。
発見者の清水さんはミニシンポに参加。清水さんは高校生時代に下関市にある国の史跡、綾羅木郷遺跡の発掘調査に携わり、記録の重要性などを教えられたことが、
卵化石の発見にも生かされたと説明した。「眠りから覚めた卵化石を通して、子どもたちが、地球の歴史に興味を持ち、温暖化など地球規模の問題を考えるきっかけにしてほしい」と締めくくった。
https://mainichi.jp/articles/20171218/ddl/k35/040/351000c