読む前から野暮な気がするが抱いてくれないならすみかのでは…?
>>4
百合で名前の表記順を気にするのは基本BL嗜んでた女の一部だけだよ カランカラン
「ありがとうございましたー!」
かのん「パスタ美味しかったね!」
すみれ「そうね。また来ましょ
かのん「じゃあ、どこ行こっかー」
すみれ「ちょうどこの先に……」
街中、すみれちゃんと2人で歩く。
私たちは恋人同士。
高校を卒業し、大学生になってから、付き合い始めたんだ。
もう半年になる。
2人でいろんなところへ遊びに行ったり、他愛も無い話でお茶をしたり、すみれちゃんとの距離は高校の頃よりもさらに近くなったと思う。
一緒に過ごす時間がこの上なく楽しかった。
私にとって初めての、素敵な恋人であることに間違いなかった。
かのん「それでその時、ちぃちゃんがねー」テクテク
すみれ「あ、かのん、段差気をつけて」スッ
かのん「ありがとう……」ニギッ
そして、すみれちゃんは私にとっても優しかった。
ちょっとしたことに気を使ってくれるし、デート中はカッコよくエスコートしてくれる。
友達でいた頃のすみれちゃんとはまた違う一面を知れた気がして嬉しかったし、私のことを彼女として大切にしてくれていることがよくわかった。
だから恋人として何の不満もないはず。
なのに。
ただ1つだけ気がかりなことがある。
それはつまり、恋人としての進展がまったくないのだった。
デートの時に手を繋ぐことはある。でもそれだけ。
キスだってしたことはない。
何ヶ月か前、すみれちゃん家で初めてお泊りした時は、胸が沸騰しそうなほど緊張したっけ。
きっと今夜、私はすみれちゃんに抱かれるんだろうなって。
初めてを奪われちゃうんだろうなって。
でも、同じベッドに入ったすみれちゃんは、私に指一本触れることなく、こんこんと眠ってしまった。
私は期待と不安が入り混じった感情に一日中落ち着かなかったって言うのに。
すぐ隣に眠るすみれちゃんの所為で、眠れなくなっていたって言うのに。
それからもずっとそうだった。
お家デートの時も、お泊りの時も、すみれちゃんが私を求めてくれることはなかった。
でも、考えてみればそれもそっか。
すみれちゃんは私よりずっとスタイルいいもん。
私の身体なんて興味ないよね。
キスやエッチがすべてじゃないし、別にそれがなくたって構わないのかもしれない。
そんなことしなくたって、すみれちゃんと一緒にいられるだけで幸せなんだから。
でも、やっぱり……
好きな人とは繋がりたい。
もっとすみれちゃんのことを知りたい。
そういう気持ちは確かにあって。
モヤモヤして。
それに、すみれちゃんだって、何もしなければ溜まるはずだ。
それをもしかして、他の魅力的な女の子で発散してるんじゃないかって、嫌な考えまで浮かんできて。
またモヤモヤして。
そんな日々の中。
可可「かのん、元気でしたタカ!?」ワアア
かのん「可可ちゃん!」ニコッ
その日は可可ちゃんと久々に2人でランチをした。
可可ちゃんの相変わらずの明るい笑顔に私は安心した。
かのん「そっちの大学はどう?」
可可「課題が多くて可可干からびそうデス……」
大学の話、可可ちゃんの家族の話、スクールアイドルの話。
積もる話もあって、話題は次々と移り変わり、私とすみれちゃんの話になった。
可可「かのんとすみれももう半年デスカ」
かのん「気がついたらね」フフッ
可可「すみれ、かのんのこと泣かせたりしてないデスカ?」
かのん「全然! そりゃたまに喧嘩もするけど、いつもすごく優しいんだ」
可可「そうデスカ」
可可「もし何かあったらいつでも可可に相談してくだサイ!」
かのん「う、うん、わかった! ありがとう、可可ちゃん」フフッ
可可「あのグソクムシがかのんを悲しませるようなことしたら、可可が懲らしめマスから!」
かのん「うん……」
かのん「……」
可可「……?」
すみれちゃんは私を悲しませることなんてしないよ。
でも、ただ一つ気になるあのこと。
可可ちゃんに言えるはずないよね。
◆
可可(結局、かのんとだいぶ遅くまで話してしまいマシタ……)
可可(かのん、元気そうで良かったデス)
可可(でも、あの時のかのんの表情……)
(かのん『……』)
可可(あの時は何も聞けませんでしたが、気になりマス……)
可可(まさかすみれに限って、そんなことはないと思いマスガ……)
数日後
すみれ「それで話って何よ」
可可「すみれ、正直に答えてくだサイ」
可可「かのんというものがありながら、浮気なんてしてないデスよね!?」バッ
すみれ「はああああ!?」
すみれ「私が浮気なんてするはずないでしょ! 私はかのん一筋よ!」
すみれ「そんなことを聞きに呼び出したわけ?」
可可「……」
可可(鎌をかけてみましたが、やはり……)
可可「まあ、可可もすみれがそんなことをするとは思っていまセンが……」
可可「ただ気になることがあって……」
すみれ「気になること?」
可可「かのん、何か悩みを抱えているようなのデス……」
すみれ「かのんが……?」
可可「きっとすみれに関わることだと思うんデス」
すみれ「でも私、ほんとに浮気なんて……」
可可「そうでなくても、何か気になることはありまセンか?」
すみれ「……」
すみれ「特に思いつかないけど……」
可可「ウーン……」
可可「そういえば可可、最近大学の友達に相談されたのデスが……」
可可「最近、恋人が家に来ても、ヤることだけヤってすぐ帰ってしまうから寂しいと……」
可可「まるで身体にしか用がないみたいな……」
すみれ「何の話よ……」
可可「まさか、すみれ……!」ハッ
可可「かのんにそんなことしてないデスヨネ!?」バッ
可可「かのんのことを弄ぶような、そんなこと!!」
すみれ「だからしてないったらしてないわよ!!」
すみれ「ていうか、その……まだだし……」ボソッ
可可「……?」
すみれ「まだかのんとはそういうことしたことないのよ。一度も」
可可「……」
可可「はあああああああ!!?」
可可「まさかキスすらまだだったなんて……」
可可「呆れて文句の一つも思いつきまセン」
可可「ヘタレ腰抜け臆病グソクムシ」
すみれ「思いついてるじゃない!」
すみれ「だってアンタもよく考えてみなさいよ!」
すみれ「かのんってそういうイメージなくない?」
可可「確かに、あまりイメージはありまセンガ……」
すみれ「かのんがその手の話してるの聞いたことないし、1人でシてるのも想像つかないし……」
すみれ「そんなかのんに手出していいのかなって、思っちゃうのよ」
すみれ「そりゃ私だってかのんとそういうことしたい気持ちはあるけど」
すみれ「もしかのんに嫌われたらと思うと、怖くて……」グッ
可可「……」
可可「半年も一緒にいて、それで嫌いになることなんてないと思いマスが」
すみれ「で、でも、もしかのんがそういうの嫌いだったら……?」
すみれ「結局身体目当てなんだって思われたら……?
可可「……」
可可(あ……)
可可(かのんのあの時の表情ってもしかして……)
可可「はぁ……」
すみれ「ちょっと、溜め息つかないでよ」
可可「すみれ、私はあなたのことを信じて、あなたにかのんを預けたのデスヨ?」
可可「言い訳並べて逃げてないで、勇気を出したらどうデスカ?」
すみれ「うぅ……」
可可「それとも、かのんに恥をかかせる気デスカ?」
すみれ「……!!」
すみれ「わ、わかったよ! やってやるったらやってやるわよ!」
可可「まあ2人のことデスカラ、可可はこれ以上言いマセンが……」
可可「かのん、待ってると思いマスよ」
数日後
かのん「〜♪」
かのん(すみれちゃん、そろそろ来るかな)
待ち合わせ場所ですみれちゃんの到着を待つ。
今日はすみれちゃんと1日デートしてから、すみれちゃんの家にお泊りすることになっている。
お泊りと言ってもいつも何もないけど……
でもね。今日の私はちょっと頑張ったんだ。
この前買った、いつもよりちょっぴり露出の多いセクシーめな服。
すみれちゃんに披露するのは初めてだけど、どう思うかな。
少しは興奮してくれるかな?
かのん(ふふっ、大胆なことされちゃったらどうしよう)
かのん(なんてね)フフッ
すみれ「おはよう、かのん!」テクテク
かのん「あ、すみれちゃん! おはよう」
すみれ「ごめん待った? ……って、ええっ!?」ビクッ
かのん「……?」
すみれちゃんが私を見て目を丸くして固まっている。
もしかしてこの服のせい?
いつもより肌の面積の多い私にドギマギしたとか。
そんなわけないか。
それから私たちは映画を見て、ショッピングを楽しんで、予定通りすみれちゃんの家にお邪魔した。
すみれ「ふー、今日はたくさん歩いたわね」
かのん「そうだね!」
すみれ「晩御飯何つくろうかしら」
すみれ「かのん何か食べたいものある?」
かのん「うーんと……」
ソファーに背を預けるすみれちゃんにピタッと身を寄せる。
今日の私は頑張るんだ。
すみれちゃんに興味を持ってもらうために。
欲しいなって思ってもらうために。
そして何より、純粋にすみれちゃんに思い切り甘えたかった。
かのん「すみれちゃん……」ギュッ
すみれ「ど、どうしたのよ、かのん」
かのん「ううん。なんでもー」ギュギュッ
すみれ「……」
すみれちゃんの身体を抱きしめると、すみれちゃんも静かに返してくれて。
もしかして、これがいいムードってやつなのかな?
カップルはみんなこういうムードから進展していくのかな?
かのん「……」ジッ
すみれ「……っ!!」
すみれちゃんのことをじっと見つめる。
すみれちゃんの可憐で整った顔立ち、美しく輝く瞳。
見つめ合う。
かのん「すみれちゃん……」
すみれ「かのん……」
キス、してくれないかな。
少しずつ、顔を近づける。
してくれないなら、私から。
すみれ「……っ!!」バッ
かのん「!?」ビクッ
すみれ「あ、あ、そうだ! お風呂の準備しないと!」
すみれ「準備してくるから、待っててね!」タタッ
かのん「あ、すみれちゃん……」
◆
すみれ「はぁ……はぁ……」
すみれ「〜〜っ!!」グッ
すみれ(ああああ、かのん、可愛い可愛い可愛い可愛い!!!!)
すみれ(かのんったら可愛過ぎるわよ!)
すみれ(今日のファッションにもドキドキされっぱなしだったけど)
すみれ(今の上目遣いは可愛過ぎて、本当に抑えられなくなりそうだったわ……!!)
すみれ(結局ビビッちゃって何もできなかったけど……)
(可可『かのん、待ってると思いマスよ』)
すみれ「……」
すみれ(私がやらなきゃいけないなんてこと、わかってるわよ……)
◆
かのん「…………」ポツン
かのん(なんか今日、私1人張り切っちゃって馬鹿みたいだ……)
かのん(やっぱりだ……)
かのん(やっぱりそうなんだ……)
かのん「すみれちゃん……」シュン
こんな所で切るなんてむごい…
保守は絶対するから早めに頼むぞ
あんまりへたれてかのん泣かせるようなことがあればちぃちゃんにシバかれるぞ
流石にこんな抱く直前で落ちたら泣くよ
抱けぇっ!抱けっ!抱けー!
かのん「やっぱりすみれちゃんって料理上手だよねー」
すみれ「かのんだって上出来だったじゃない」
かのん「ねぇ、今度一緒にクッキー作ろうよ!」
すみれ「いいわね」
晩御飯を食べ、2人で片づけを終える。
さっきのことはショックだったけど、できるだけそれを悟られないように振舞った。
キスをねだったけど断られたから不機嫌になるなんて、そんなの面倒くさいもんね。
すみれ「かのん、そろそろお風呂入ってらっしゃい」
かのん「うん、ありがとう。じゃあ入ってきちゃうね」
いつだったか、『一緒に入っちゃう?』って冗談ぽく誘ったこともあった。
はぐらかされちゃったけど。
今の私にそんなことを言えるはずもなく、お風呂場に向かう。
かのん「……」
洗面所の鏡に映る自分を見る。
私って魅力ないのかな。
すみれ(かのん、なんだか元気なかったわね……)
かのんがお風呂に入っている間、いつもと様子の違った恋人のことを思い返す。
すみれ(私、何かしちゃったかしら……)
思い当たる節はある。
あのことだ。
もしあの時、かのんが私にキスを求めていたとしたら……
私の行動は最低だ。
でも、そうじゃなかったとしたら……?
その考えが、いつも私にストップをかける。
すみれ「……」ススッ
部屋のある引き出しを開けて、1枚のカードを取り出す。
『澁谷かのん』と書かれた1枚の名刺。
私の宝物。
すみれ「かのんは、どういう気持ちだったのかしら……」
私だってかのんとキスがしたい。その先のこともしたい。
かのんともっと触れ合いたい。
けれど、それを想う度、浮かんでくるイメージがあるんだ。
(かのん『……』ジッ)
そこには、普段の凛とした佇まいは陰り、笑顔のないかのんがいる。
軽蔑の表情を浮かべるかのんが。
(かのん『すみれちゃん、そういうことしたかったんだ』)
私に向けられる、見たことのない、かのんの冷たい目線。
その未来だけが、本当に怖くて。
怖くて。
そうなったなら、私は耐えられない。
すみれ「そろそろ寝ましょ」
かのん「あ、うん」
寝る時は、すみれちゃんと同じベッドに入る。
お泊りの時はいつもこうだ。
でも、電気を消して、おやすみを言い合えば、後はそれぞれ眠るだけ。
それもいつものこと。
かのん「…………」
暗がりの中、そっとすみれちゃんの方を見る。
すみれちゃんの影。きっと目も閉じている。あるいはもう眠ってしまったのだろうか。
切なさと寂しさで胸がぎゅっと締め付けられる。
やっぱり私に魅力がないから?
私じゃすみれちゃんの気を引けないの?
本当は全然違う子がタイプなの?
頭の中を嫌な何かがぐるぐると回る。
私とすみれちゃんは友達でいる期間が長かったから、今も友達の延長線上って感じがあるのかもしれない。
だから付き合ってはみたけれど、すみれちゃんは私とそういうことしたいとは思えなくて。
それなら、その先に待ってるのは……
(すみれ『ごめん。やっぱり私、かのんのこと女としては……』)
かのん「……っ!!」ギュッ
そんなの……
そんなの絶対嫌だ……
気付けば、私はゆっくりとすみれちゃんの方に手を伸ばしていた。
そして言葉が喉から出かかる。
『ねぇ、しよ……』
でも、すみれちゃんに触れる前にピタリとそれを止める。
必死で堪える。
だめだ。もしそんなことしたら……
涙がこみ上げて来る。
すみれちゃん、寂しいよ……
すみれ「…………」
かのんはもう寝てしまっただろうか。
結局、今日も何もできなかった。
私の勇気が足りなくて……
すみれ(かのん……)
掛け布団の下で、眠っているであろうかのんに、手を伸ばす。
欲しい。
かのんが、欲しい。
欲望と自制のせめぎ合いの中、私の指先はかのんに近づいていく。
すると、不意に細く柔らかいものと当たる。
かのんの指先だった。
すみれ「……」
かのん「……」
微かに重なり合う互いの指と指。
どちらともなくそれを引き寄せ合う。
私が少し力を込めて握ると、かのんもぎゅっと握り返してくれて。
すみれ「……!!」
カーテンの隙間のその遥か先の雲の切れ目から月明かりが照らすように、かのんの顔薄がうっすらと見える。
キラリと光る瞳は涙で潤んでいるのがわかる。
その表情は儚げで、悲しげで、あまりにも切なくて。
すみれ「……」
私って本当に馬鹿だ。
馬鹿だった。
すみれ「かのん……」
私は身を起き上げた、
ここでいかなきゃ、かのんの恋人だなんて一生名乗れない。
突然だった。
何かの糸がプツリと切れたかのように、すみれちゃんが身体を動かしたかと思うと、勢い良く私の上に覆い被さった。
はぁ、はぁ、と全力疾走でも終えたかのような荒々しい呼吸をするすみれちゃんが、目を大きく見開いて私を見ていた。
何が起こったのかわからなかった。
すみれ「かのん、私……」
かのん「え……?」
すみれ「もう我慢できそうにないわ……」
私より少し背の高いすみれちゃんの身体がしっかりと私を捕らえる。
その肩を大きく揺らしながら、荒く、熱い呼吸は続く。
それは獲物を前にした空腹の肉食獣の雰囲気を纏っていた。
もしかして、すみれちゃん、興奮してる……?
すみれ「だからかのん……」
すみれちゃんがぐっと顔を近づける。
お互いの吐息のかかる距離。
付き合い始めて半年、こんなにすみれちゃんを近くに感じたことはない。
すみれ「その……いいかしら……?」
かのん「……」
すみれちゃんの熱と、心臓の激しい鼓動が伝わってくる。
本当に。
本当に、すみれちゃんは。
そんなの、いちいち聞かなくていいのに。
私は静かに頷く。
かのん「すみれちゃんの好きにしていいよ」
すみれちゃんはそのまま、ゆっくりと顔を近づける。
やがて触れ合う互いの唇。柔らかい。
伝わってくるすみれちゃんの熱が愛おしくて。
ずっとこれが欲しかったんだ。
すみれちゃんから貰う熱と、とめどない興奮で、頭の中が溶けていく。
かのん「……っ」
つっ、と離される唇。
もうおわり?
すみれちゃんは目を細くして私を見つめると、またキスしてくれて。
ちゅっと、また互いの感触を確かめると、それを繰り返した。
今までずっと我慢してきた分、何度も何度も口づけを重ねる。
すみれちゃんとなら永遠にだってこうしていたい。
私はすみれちゃんの背中に手を回す。
もっともっとちょうだいって。
すみれちゃんは少し強めに唇を押し付けてくれた。
私もぎゅっとすみれちゃんを抱きしめてそれに応える。
すると、私の唇を割って何かが入ってくる。
すみれちゃんの舌が私の中に。
かのん「んっ……!」
驚いちゃったけど、すみれちゃんからそうしてくれることが嬉しくて。
私の口の中を這えずり回るすみれちゃんの舌。
気持ちいいような、くすぐったいような、妙な感覚。
すみれちゃんに探りあてられ、触れ合う舌と舌。
どうしたらいいかわからず、ちろちろと舌を動かしていたら、すみれちゃんに深く絡み取られた。
ねちゃっと水音を立てながら、交わり、唾液を交換していく。
それは麻薬のように脳を刺激し、感覚を麻痺させる。
もっと欲しくさせる。 心地いい。
ちゅっ……
唇が離れると、2人の間に銀糸の橋がかかる。
深く交わった証が。
お互いの呼吸が激しい。
すみれ「かのん、私、もう止まらなくなりそう」
かのん「言ったでしょ。すみれちゃんの好きにしていいって」
かのん「私、すみれちゃんになら、何されてもいいよ」
私の肩に落としたすみれちゃんの手がゆっくり進んでいき、その下の膨らみに触れる。
最初は布越しに優しく触れるだけだったけど、それじゃ全然物足りないと、手を服の下に滑り込ませる。
すみれちゃんの手が直に触れる。すみれちゃんはその感触を確かめるように、ゆっくりと指を沈ませる。
すみれ「ずっとかのんとこうしたかった」
すみれちゃんは普段とは遠い、小さく囁くような声を落とした。
すみれ「でもかのんに嫌われるんじゃないかって」
かのん「そんなわけないじゃん……」
すみれちゃんに服を捲り上げられ、その控えめな膨らみが完全に露になる。
恥ずかしい。
かのん「大きくないよ」
すみれ「大きさなんて関係ないわ」
すみれ「かのんのだから、欲しいの」
そんなに見ないでよって言っても、すみれちゃんはやめてくれず、私の胸をじっくりと見てはゴクリと喉を鳴らした。
見られてるだけでも変な気持ちになる。それでいて辛かった。
だって、すでにその先端は痛いほど硬く尖っていて。
早く触って、触ってよって、すみれちゃんにピンと主張し、今にも泣き出しそうだった。
すみれちゃんはそれを見てじゅるっと舌なめずりした。
唇の間から確かに見えた、赤い舌の動きに、私の身体は一層熱を帯び、下半身で何かが溢れたのがわかった。
すみれちゃん、早く…… お願い、すみれちゃん……
私の気持ちを感じ取ったのか、すみれちゃんは微笑んで、赤い舌をちろちろと動かしながら、ゆっくりとそこに近づく。
そのピンク色の蕾を舌でぺろっと撫でる。
「あっ!」
思わず身体が跳ねる。
身体を電気が貫いたような鋭い快感。
自制のしようがなかった。
すみれちゃんは私の反応を見て嬉しそうにニヤッと笑った。
恥ずかしい。
かぷり
すみれちゃんの唇が蕾を覆う。
そして舌を動かし、ゆっくりと愛撫を始めてくれた。
「ぁ、ん、ぁ……すみれ、ちゃ……ぁ」
もう片方の蕾も、指できゅっと捕らえられては、指の腹でコロコロと転がされる。
押し寄せる快感の波に、勝手に声が漏れてしまう。
腰ががたがたと揺れ、お腹のあたりがじんと熱くなる。
かのん「んぁ、ふう……は、ぁ……あっ!」
すみれ「かのん、気持ちいい?」
かのん「はぁ……ぁ、はぁ……」
そんなこと聞かないでよって泣きそうになりながらすみれちゃんを見ると、優しく微笑んでくれて。
すみれちゃんは胸の蕾を丹念に味わいながら、手は私の太ももへと伸びていた。
そこをまさぐるように触れ、感触を楽しんでいるようだった。
すみれちゃんも私も、もう我慢なんてできなかった。
互いに着ているものをすべて脱がし、脱がされ、布1つない身体同士が絡み合い、交わった。
熱と熱を交換し、汗や唾液がぐちょぐちょに絡み合っていく。
すみれちゃんは私の唇に、肌に、何度もキスを落とした。
止め処ない愛撫の雨が、私の全身を溶かしていく。
すみれちゃんに口づけされるたび、触られるたび、抑えられない声を上げ、激しく感じてしまう。
恥ずかしいはずなのに、もうそんなこと考えられなくて。
すみれちゃんにされるがままに、身体はぐちゃぐちゃになっていった。
かのん「すみれちゃ……ぁ、ふぁ……ぁ……」
すみれ「かのん、可愛いわよ」
そして、すみれちゃんの手が、私の太ももを撫でながら、身体の中心へと向かっていくと。
くちゅっ、とそこが音を立てた。
あ……
やっぱりそこまでしちゃうんだ。
もちろん覚悟はしていたし、ずっとすみれちゃんとしたかったことだ。
でも、いざ触られるとやはり緊張してしまう。
自分以外の誰にも触れられたことのないその場所を、すみれちゃんは優しくなぞった。
かのん「はっ……ふ……あ……」
すでに十分過ぎるほど濡れていたその場所はピチャリと水音をたてる。
すみれちゃんの白い指に粘り気のある愛液がたっぷりとつく。
それを愛おしげに眺めるすみれちゃん。
すみれ「すごく濡れてるわよ」
かのん「ぁ……いわないで……」
すみれちゃんはそのまま自分の指を咥えてしまう。
甘い生クリームを味わうみたいに美味しそうに、ねっとりとしゃぶって。
かのん「ぃやぁ……すみれちゃん、きたない……」
すみれ「かのんのなら、綺麗よ」
すみれちゃんはそう言うと、もっとそれを味わいたいとでも言うように、自分の顔を私の秘部へと近づける。
ぐちょぐちょに濡れたその場所を、今度は直接、舌でぺろぺろと舐め始めた。
かのん「ぁ……ぅ……ぁ、ぁ、ぁっ」
耐え難いほどの快感に、思わずシーツをぎゅっと掴む。
声をどんなに押し殺しても漏れてしまう。
愛液はどんどん溢れ出る。
ぴちゃ、くちゃ、ぴちゃ、と卑猥な水音が部屋に響き渡った。
かのん「んふぅ……すみれちゃ……ぁ……」
私は夢中で、かのんのそこを貪り続ける。
綺麗なピンク色をしたその場所。
大好きな人のものだからだろう。
溢れ出る蜜は甘く感じられ、もっともっと欲しくなる。
かのんと私がこんなことしてる。
Liella!のセンターで、普段明るくみんなを引っ張っていた、あのかのんが。
人当たりよく、みんなの人気者の、あのかのんが。
見たことのない表情を浮かべ、聞いた事のない声を漏らしている。
他の誰も知らない、私だけのかのんだ。
すみれ「ちゅる……じゅ……れろっ……」
舌の動きを次第に速くしていき、秘部の芽を入念に攻め始める。
かのんの嬌声がより一層高いものになる。
かのん、ここが気持ちいいんだ……
すみれ「かのん……ちゅる、かのん……」
かのん「はぁぁ……んぁ……ふぁ……」
かのんの腰が浮き、太ももががくがくと震える。
それは、更なる快感がかのんを襲う前兆のようでもあった
私は、より強く、激しく、芽を集中して愛撫した。
かのんへの想いのありったけを、かのんにぶつけるように。
私がどれだけかのんのことを愛しているか、伝えるように。
かのん「すみれちゃん、ぁ、やだぁ……ん、きちゃう……きちゃうからっ!」
やだ、と言っても、もう聞いてあげない。
震えるかのんの太ももを両手でがっしりと抑え、そこからさらに股を広げさせる。
より表に露出した陰核にじゅるじゅると吸い付き、激しく舌で舐め回した。
かのん「だ、だめっ! んぁ、あっ、あっ……あっ、ああああああああああ!!!!」
かのんの身体全体が激しく仰け反る。
イッちゃったみたい。
かのん「はぁ……はぁ……はぁ……」
しばらくかのんの荒い呼吸が続いた。
その瞳からは涙が零れていた。
それを指先で拭い、頭を優しく撫でながら、かのんが落ち着くのを待った。
かのん「すみれちゃん……」
恥ずかしそうに小さくなりながら、上目遣いで見つめてくるかのん。
本当に可愛いったら、可愛い。
すみれ「かのん、大好きよ」
翌朝
天気の良い、清々しい朝だった。
かのん「おはよう」ニコッ
すみれ「おはよ」
ベッドで目を覚ました私とすみれちゃん。
そっか、私たち昨日……
思い出すだけで恥ずかしくなるけど、やっぱりすごく嬉しくて。
私たちは心も身体も結ばれたんだ。
かのん「朝ご飯どうしよっか」
すみれ「そうねー」
何が食べたいか、朝食の話し合いをしてたけど、結局その朝はずっとベッドの中でイチャイチャしていた。
幸せな朝だった。
すみれちゃんとの関係がまたひとつ進展して。
これから私たちはどうなっていくんだろう?
そんなどこかワクワクした気持ちもありながら。
すみれ「そろそろ起きる?」
かのん「うーん、もうちょっと……」
そう言って、すみれちゃんの胸に身を寄せると、抱きしめてくれて。
すみれ「かのんって意外と甘えん坊よね」
かのん「違うもん……」
すみれ「ふふっ」
すみれちゃんが私の頭を撫でてくれる。
私もぎゅっと、すみれちゃんを抱きしめ返した。
おしまい
明らかにえっちなSS書き慣れていマス!!蕾と言い言葉選びが手慣れていマス!主観の切り替えがスムーズ過ぎマス!!乙デス!!
素晴らしい
えっちだけど美しくもあって、心情の動き方の描写がたまらん
保存した