4月の訪米から、主要7カ国(G7)首脳会議まで、菅義偉首相は怒とうの外交日程を終えた。
「自由で開かれたインド太平洋」構想を実現するため、ひとまず欧米と一緒に中国に向き合っていく足がかりができた。
そこで、大いに気がかりなことがある。日本は同構想の提唱国だが、本気で実行する体制を整えているだろうか。
残念ながら、そうは思えない。最大の問題は、安全保障の取り組みに欠かせない予算が極めて乏しいことだ。
日本の防衛予算は5兆円強で、国内総生産(GDP)の約1%にすぎない。2013〜21年度に増え続けたが、伸びはわずかだ。
その間、中国の国防費は日本の約4倍になり、経済だけでなく、軍事の影響力もすさまじい。北朝鮮は核ミサイルを持ち、ロシアによるアジア方面の軍拡も続く。
中朝ロの核に囲まれる日本は安全保障上、「世界で最も危険な立地にある」(欧州外交官)。
それなのに、防衛予算の対GDP比は世界125位であり、G7の最下位だ。
金額の多寡がすべてではないが、日本の少なさは際立つ。米軍におんぶに抱っこを続け、必要な投資を怠ってきた。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD1673D0W1A610C2000000/
「自由で開かれたインド太平洋」構想を実現するため、ひとまず欧米と一緒に中国に向き合っていく足がかりができた。
そこで、大いに気がかりなことがある。日本は同構想の提唱国だが、本気で実行する体制を整えているだろうか。
残念ながら、そうは思えない。最大の問題は、安全保障の取り組みに欠かせない予算が極めて乏しいことだ。
日本の防衛予算は5兆円強で、国内総生産(GDP)の約1%にすぎない。2013〜21年度に増え続けたが、伸びはわずかだ。
その間、中国の国防費は日本の約4倍になり、経済だけでなく、軍事の影響力もすさまじい。北朝鮮は核ミサイルを持ち、ロシアによるアジア方面の軍拡も続く。
中朝ロの核に囲まれる日本は安全保障上、「世界で最も危険な立地にある」(欧州外交官)。
それなのに、防衛予算の対GDP比は世界125位であり、G7の最下位だ。
金額の多寡がすべてではないが、日本の少なさは際立つ。米軍におんぶに抱っこを続け、必要な投資を怠ってきた。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD1673D0W1A610C2000000/